2019-01-01から1年間の記事一覧

8月24日

気晴らしに詩を書いてみる。 歌 遠くの空から 歌が聞こえる 涸れた土地ではひとりの女が 小さな赤児を抱いている 微かな寝息と共に やがて雨が降る 遠くの空から歌が聞こえる 博物館をそぞろ歩く 剥製の前に立ち止まる 老いた男は 失った過去を 朽ちた瞳の裡…

7月30日

仕事を終え、大学構内の林を歩いていると街灯の明かりの下でカミキリムシが腹を天に向け悶えていた。都心のど真ん中でヒキガエルを見たことはあるが、カミキリムシは初めてだ。足を止めしばらくの間見守っていたが、ひっくりがえったまま起き上がれないらし…

6月10日

不意に本棚を眺め『アメリカ現代詩101人集』という懐かしい本を手に取ると、そのままデルモア・シュワルツの詩を読むことにした。この本は、彼の詩が読みたいがために買ったも同然だった。 もっとも、詩集の中に彼の詩は一篇しか載っていない。「ボードレー…

5月1日

夢日記 図書館へ出勤すると、知らない新入りが増えている。何故か今日は数人を残して早上がりらしい。仕事を済ませ閉館の時間になる。みんなで集合すると、(職場の女の子)Nさんが俯いてとても悲しそうな顔をしている。僕の締め作業は、閉館の放送の曲にあわ…

4月26日

高校の頃、ぽつねんと自室にこもってイギー・ポップの『idiot』を何時間も聞いたことがあった。ちょうど今日のような寂寞とした物悲しい1日の終わりに。瞑想するように、何度もCDを回し直し、音楽に耳を傾けていた。 イアン・カーティスが自殺する直前に聞い…

4月21日

昨夜みた夢について覚書 昨夜、ながいながい夢をみた。起きると同時にほとんどのことは忘れてしまった。夢の中で僕は中学生だった。今では絶縁してしまった古い友人たちと代わり映えのしない数日間を過ごした。夢の最後で誰かが詩を朗読しはじめた。 『愛は…

4月8日

フロムの『自由からの逃走』をメモしながら読み進めている。かなり興味深い。「人間存在の自由とはその発端から切り離せない」とかれはいう。現代日本人における「自由」の束縛とはなんだろうか。「ネトウヨ」や「キモオタ」にみられる男性中心主義やミソジ…

3月29日

丸一日を部屋から一歩も出ずに過ごした。誰ともコミュニケーションを取らずにいると気分が陰気になる。だけど、金もないし、明日は友だちから頼まれたレコーディングのサポートの用事がある。外に出かけて金と時間を浪費するよりかは(同様に時間を無駄にす…

3月21日

数時間の散歩の後、駒沢公園で足を休めることにした。それまでに考えていた多くのことをブログに書こうと思ったのだ。ベンチに座り、いざ書き始めようとすると言葉がまとまらない。終いには考えていたことさえ、うまく思い出せなくなった。 ひとりぼんやりと…